February 23, 2019 イメージアップだけではない、コーポレートブランディングの効果 コーポレートブランディングは企業を対象としたブランディングです。企業としてのブランドを確立させるメリットは、企業イメージを向上させるばかりではありません。優れたブランドは企業の資産となり、企業の価値を高めます。コーポレートブランディングの重要性について詳しく解説します。 Contents(目次)1 企業にとって資産となる「ブランド」とは1.1 「ブランド」は企業の価値を高める無形の資産1.2 ブランドが確立されれば顧客の方から選んでくれる1.3 ブランド企業になれれば、どんな場面でも強い2 コーポレートブランディングで企業価値を高めるには2.1 まずはブランドに対する客観的な評価から2.2 ブランドを日常業務に反映させる3 成長し続けるブランド企業がやっていること3.1 ブランドへの評価をウォッチし続ける3.2 ブランド企業はブランドを進化させていく 企業にとって資産となる「ブランド」とは「ブランド」は企業の価値を高める無形の資産商品やサービスだけでなく、企業もブランドになります。AppleやSony、パナソニックや富士フイルムなど、誰もがよく知る会社は企業としての「ブランド」が確立されている例と言ってよいでしょう。「ブランド」になっている企業は、そうでない企業に比べて、さまざまな面で有利です。たとえば、新規の取引先との商談の場面を思い浮かべてみてください。ブランド力のある企業なら、企業名を伝えただけで耳を傾けてもらいやすくなる気がしませんか? 無名の企業ではそうはいきません。まずは企業や取り扱い商品の説明をし、信頼関係を築くところから始める必要があります。企業にブランド力があるということは、事業を行う際に大きなアドバンテージになるのです。企業としての価値を考える時、評価の対象になるのは機械や設備、建物などの有形資産ですが、ブランドもそれらと匹敵するぐらいに大きな影響力を持ちます。ブランドは企業価値を高めてくれる、無形の資産なのです。ブランドが確立されれば顧客の方から選んでくれるある程度の企業規模になると、ブランディングを専門に行う部署をもっていることも珍しくありません。ブランディングによって他社との違いを強く印象づけられ、結果として事業の成長につながることを知っているからです。たとえば、環境へ配慮した商品づくりをしている企業では、環境に優しいブランドをアピールすることで環境志向の顧客を惹き付けることができるでしょう。また、潜在的な顧客や投資家などが、よい企業イメージを持つことも期待できます。ブランド力があれば売り込みをかけずとも、良い印象を持った顧客が自ら選んでくれるのです。ブランド企業になれれば、どんな場面でも強いコーポレートブランディングが成功すると、誤解をおそれずに言えば、“イメージのよい有名企業”になれます。いい企業で働いているということは社員にとっても誇らしいことですし、仕事にもやり甲斐が生まれるでしょう。すると、社員も積極的にいい仕事をするようになり、結果として商品やサービスの品質も高まります。提供された商品やサービスの品質が向上すれば、顧客の満足度も高まるでしょう。ブランド企業になれれば、さまざまな面でプラスの効果が生まれてきます。 コーポレートブランディングで企業価値を高めるにはまずはブランドに対する客観的な評価からそれでは、企業としてのブランドを確立させたいと思ったら、何をしたらよいのでしょうか。 ブランディングを行う際にはまず、現在のブランドの価値やブランドに対する外部の反応を調査する必要があります。知名度の高さだけではなく、ブランドによって企業の価値がどう高まっているのか、具体的に把握しなくてはなりません。 商品ごとの売上状況や競合に対する優位性などを精査し、顧客やステイクホルダーへの聞き取りなども行って、ブランドに対する内外の評価を客観的に捉えます。客観性を保つことが難しい場合には、外部のプロフェッショナルを活用するのもよいでしょう。ブランドを日常業務に反映させるブランドの現在地を把握すると、ブランドが進むべき道が見えてきます。イメージがよければそれを強化していけばよいですし、改善の余地があれば、理想的なイメージに近付くよう、顧客へのアピール方法を検討していくべきでしょう。具体的な施策については、ブランドの状況によって異なります。Webサイトの開設やロゴの変更、商品の統廃合なども必要になるかもしれません。半年、1年以上かかるプロジェクトになることもあります。ブランディングの効果を高めるには、顧客にブランドを知ってもらう活動に加えて、通常業務にブランドを反映させることも大切です。なぜなら、企業に対するブランドイメージは顧客が企業と接する時に生まれるからです。日々の営業活動や顧客対応、クレーム処理といった場面こそ、ブランドの真価を発揮するときです。日々の小さな積み重ねはやがて強力なブランド資産となっていくでしょう。 成長し続けるブランド企業がやっていることブランドへの評価をウォッチし続けるコーポレートブランディングに取り組み、あまり効果が見られなかった場合でも、そのまま放置しておくことはあまり得策ではありません。企業活動や企業価値によくない影響を与える可能性もあるからです。また、効果があった場合でも、長期間何もせずに放置しておくと、ブランドが劣化して時代に取り残されていってしまいます。市場や顧客は刻々と変化していきます。ブランドの力を維持するためには、消費者や株主などの声を聞き、ブランドに対する評価を常に確認するようにしましょう。社外からのフィードバックを得て、改善の余地があるようであれば、ブランディング方法を見直すことも大切です。ブランド企業はブランドを進化させていく時代や顧客の変化によって、構築したブランドの力が低下することもあります。そのような場合にはリブランディングを検討します。リブランディングとは、既に構築されたブランドを再生させることです。(リブランディングについてはこちらも参照ください) ブランドの方針や内容を変えることに対しては、これまでのブランドに親しんでいた顧客や社員からの抵抗があるかもしれません。けれども、調査を行ってブランドを改良する必要性が見られたならば、ブランドの再構築を行うべきです。リブランディングによって、ブランディングの効果を向上させた事例は数多くあります。たとえば、パナソニックやニコンは創業以来、企業ロゴやスローガンを何度も見直し、企業価値を高めることに成功しています。より分かりやすく時代に合った訴求方法にすることでブランドをアップデートしているのです。コーポレートブランディングの多様な効果について感じていただけたでしょうか。実際に取り組む場合の具体的なプロセスや事例については、こちらでもご紹介していますので参考にしてみてください。